ありがとうございます   てのひら造り   微生物との響き合い   支えられて生かされる

 ●酒は百薬の長●


酒は百薬の長 寿命を延ばす
旅行に食あり 寒さに衣あり
推参に便あり 憂えを掃う玉箒
位無くして貴人と交わる 労を助く
万人和合する 独居の友となる
           (酒の十徳)

 古来より発酵食品であるお酒は適度に飲めば、薬以上に健康によいものとされてきました。
 最近の研究で、日本酒には「百薬の長」を裏付ける様々な薬効があることがわかってきました。
 秋田大学の名誉教授で医学博士の滝沢行雄先生の研究では、人のガン細胞に薄めた純米酒をたらすと90%以上が変形、または死亡します。中年の男性で、飲酒をするグループとしないグループを比べると、飲酒をするほうがガンにかかる率は低く、胃がんの発生率は40%も低下します。これは文部科学省の調査でも同じ結果がでました。つまり、飲酒はガンの予防になるということです。
 愛媛大学の奥田拓道教授の研究室でも、日本酒の中に糖尿病予防のインシュリン様物質があることがわかり、さらにガン細胞の増殖を抑制するナチュラルキラー細胞活性促進物質があることが判明しました。
 京都大学の清水章史教授は、日本酒によるうつ病の改善効果を発表しています。
 その他にも、各研究者から、高血圧・血栓・動脈硬化・骨粗しょう症など、生活習慣病にきわめて高い薬効がある可能性が指摘されています。さらにアトピー性皮膚炎の改善も報告され、シミの減少や皮膚の保湿・保温など、美容にも効果があることが確認されました。女性には素敵な朗報ですね。
 ただしこれは伝統的な製法で造られた純米酒をほどよく飲めばの話しです。
 昔の酒造りでは、添加物は含まれずもちろん農薬も化学肥料も無い時代なので、原料は自然に育まれた米と水です。
 麹菌(こうじきん)・酵母菌・乳酸菌の存在も知られていなかったので、現在のように純粋に培養して大量に添加するということはなく、空気中に漂う様々な微生物が関与してお酒が醸されていました。今では雑菌としてひとくくりにまとめられる菌たちが何らかの役割を果たしていたのかもしれません。
 自然の摂理の中で杜氏達は温度計も分析機器もない時代に五感・時には第六感も総動員して酒造りに励んでいたと思われます。そうして生命の宿ったお酒が造られていたのです。
 そんな昔ながらの発酵技術によって生み出される物質が皆様の健康にお役に立つことは間違いありません。私共で取り組む生もと(きもと)仕込みは、多様な種類の微生物の力を借りてお酒を造る仕込み方です。通常おこなわれる速醸仕込みと比べて、複雑な発酵過程を経ることを考えれば、より多くの物質が生成されていると思われます。
 今後、研究が進み、さらなる薬理効果が発見されていくものと思われます。

 最近注目を集める陰陽五行をベースにした長寿法・マクロビオティックの考え方でも純米酒は日本の伝統的な発酵食品として見直されています。
 煮物の煮付けの手順を表す言葉「さしすせそ」の「さ」はいつの頃からか砂糖ということになっていますが、日本で一般的に砂糖が普及したのはこの百年程のことです。本来「さ」が指していたのは砂糖でなく酒でした。
 「酒」「塩」「酢」「醤油」「味噌」。塩以外はすべて醸造発酵調味料です。そして、この順番でおいしく調理してきたのです。
 陰陽の考え方では発酵食品のなかでも、陽性である味噌に対して、酒は陰性で正反対の力をもたらす重要なものとして捉えられています。身体を引き締め、体温を高め、活動的にしてくれる味噌に対し、酒は身体を緩めて新陳代謝をうながし、消化吸収を促進して、日々の労働の疲れを癒してリラックスさせてくれます。
 まさに心と身体の元気の素。生命の宿った日本酒は家族の健康を支える基本調味料であり、栄養飲料なのです。 

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