寺田本家では毎年10月下旬くらいからお酒造りが始まり、翌年4月初めくらいに終了します。お酒の年度は酒造年度といい、年度始めが7月になります。また、「香取」への醸造用アルコール添加は廃止し、100%純米造り、乳酸菌・酵母菌も無添加の蔵となりました。現在は地元社員を中心に、若い造り手たちによるお酒造りに取り組んでいます。
 平成22酒造年度(22BY・2010年)からは、契約農家さんのご協力のおかげさまですべての原料米が無農薬米となりました。本当に有難いことでございます。お酒の蔵出しは毎年9月9日・重陽の節句以降を予定しております。
これからもみなさまのお役に立つよりよいお酒造りに精進してまいりますのでどうぞよろしくお願い致します。
 ※酒造年度・・・7月1日〜翌年6月30日までの1年間を酒造年度といいます。BreweryYearを略してBYと表記します。

日本酒とは仕込水蒸し米造り麹造り酒母造りもろみ造り上槽
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五人娘の製造工程

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日本酒とは
日本酒はお米をアルコール発酵させて造る醸造酒のことです。穀物のアルコール発酵とは酵母が糖分を食べて、主にアルコールと炭酸ガスを出すこと。ところがお米は糖分を含まないので、そのままでは発酵しません。そこで原料となるお米を蒸して麹(こうじ)を造り、この麹がお米のデンプンを糖に変え、それを酵母の力でアルコール発酵させます。
 日本酒は「麹カビ」「乳酸菌」「酵母菌」という3種類の微生物を筆頭に、その他たくさんの微生物たちが自分たちの役割を果しバトンタッチしながら、それぞれの生命(いのち)が結び合い、生まれてくるのです。
蔵人たちの仕事は微生物たちの声を聞きながら、発酵場を整え、うまく手助けをしていくこと。そしておいしく、体に優しいお酒をいただくことができるのです。
仕込水
 寺田本家の仕込水は蔵内の井戸からくみ上げた地下水を、浄水器エリクサー(詳細はこちら)を通し、さらに電子をチャージして分子集団の小さな水にしてから使用しています。微生物たちの生命力を高めることができます。


仕込水
.  電子水のタンクです。中心には備長炭を
 詰めた柱が沈められています。
蒸米造り(むしまいづくり)
 原料米は命を大切にするため栽培から考え、22BY(2010年)の仕込みからは契約農家さんのご協力で全量無農薬米を使用しています。
 まず「玄米」を精米することから始まります(まったく精白をしない「玄米酒」もあります)。精米は精米所に委託しています。精米したお米は洗米して水に浸漬(しんせき)します。吟醸酒や大吟醸酒ではこの工程が大きく影響してくるので人手を使い秒単位で作業をします。そして大きな甑(こしき)で蒸して「蒸米」にします。蒸しあがったお米は炊飯に比べると硬くぽろぽろとした感じです。
(左写真・洗米しているところ。真冬も素手で洗います)
     直径2m位の甑で蒸しています。
     すごい蒸気!
 甑からスコップで掘り出した熱い蒸米を竹の
 サナに広げて冷まして、微生物達に快適な
 温度にします。
麹造り(こうじづくり)
 次に米の糖化に必要な「麹」を育てます。蒸米に黄麹菌(きこうじきん)を植えつけ(種付け)、麹室(こうじむろ)では麹菌に居心地のいい場を作ってあげることで生育を助けます。
 寺田本家の麹室は、壁の内側すべてに炭の粉を敷き詰め、天井には電子発生装置を取り付けるなど独自の環境作りを行っています。麹菌は生き物ですから夜中でも休んでくれません。
麹菌が最高の力を発揮してくれるためには、できあがるまでの2日間はきめ細かい手助けが必要です。

種菌は以前は麹屋さんから買っていましたが、“百薬の長”たる酒造りには自然のものを、との思いからさまざまな試みを行い、2016年冬の仕込みより、蔵内に生息している空気中の蔵付き麹菌を採取し自家培養した麹菌を使います。
麹の切り返し作業です。何度も手入れを
して健やかな麹を育てます。
  
 できあがった麹です。食べると栗のような
 ほのかな甘みがあります。
酒母造り(しゅぼづくり)
もと
 平成12酒造年度から全量「生もと造り」(きもとづくり)を行っており、人手をかけて昔ながらの「もと摺り」を行います。
 酒母造りでは麹に蒸米と水を加えて、もろみの発酵を促す酵母を育てます。一般的な速造りの速醸もとには酵母の生育に適した酸性条件の環境を作り出すため人工的な「乳酸」を添加しますが、弊社の生もとは蔵内に生息する硝酸還元菌や乳酸菌、蔵付き酵母たちがそれぞれの力を発揮して1か月以上かけてできあがります。
 江戸時代頃の伝統的な仕込方法である生もと造りは、近代的な速醸もとに比べて細かい温度管理に手間暇がかかり、杜氏の技術が要求されるなどで、現在行っている蔵は少なくなりました。しかし、自然の摂理を上手に利用することによって生命力のある力強い酒母ができあがります。生もと造りによるお酒は乳酸の酸味がきき、アミノ酸が多く旨みの濃い、香りも複雑でコクのある味わいが特徴です。
みんなで唄いながらのもと摺り作業。
 めでた〜めでたぁ〜の はぁ〜よいよい
酒母 完成しつつある酒母。なめてみると、
ヨーグルトのような味がします。

この味をみなさまにお届けしたくて
生まれたのが“マイグルト”です。
真中の銀色の容器には氷が入っていて、
醗酵が進み過ぎないように冷やしています。
 こちらはお湯を詰めた
暖気樽(だきだる)を入れているところ。
  きめ細かな温度管理しています。
後ろには酒母タンクが幾つも並んでいます。
もろみ造り
 麹と酒母がそろうと、いよいよ日本酒造りの本番。これが「もろみ」(造り)といわれる工程で、酒母に麹・蒸米・水を加えて、原酒となるもろみを30日以上かけて発酵します。仕込みは「初添」「中添」「留添」と3回に分けるため、「三段仕込み」ともいわれます。三段仕込みは、徐々に酵母の生育の場を広げていくことにより、酵母の優位性を保ち発酵を促す最適な仕込方法といえます。
 もろみの中では麹の力によって蒸米が次第に糖化されていき、その糖を食物に酵母菌が発酵してアルコールを産出していきます。この発酵法は糖化と発酵を同時に行うことから「並行複発酵」といわれ、世界的にも珍しい技法です。
もろみ
醗酵の最盛期で、盛んに泡が立って
います。このままだと泡が吹きこぼれ
てしまうので「泡消器」を回しています。
泡 泡の拡大図です。酵母の集合体です。
泡とともに、蔵の中は良い香りでいっぱい
になります。 
もろみには日々櫂入れを行い
もろみの状態やその日の気温、いろいろな
保温したり、冷やしたりと微生物たちの
働きやすい場をつくります。
上槽(搾り)
 仕込みを終えたもろみは、圧搾して新酒(生原酒)と酒粕に分けられます。
搾りたての生酒はコハク色をしていて、炭酸ガスが残り、しゅわっとした口当たりが新鮮です。
麹の香りも強く残っています。その後種類により生で、また火入れ(殺菌)を経た上で貯蔵いたします。
生もと造りによるお酒は夏の間ゆっくりと熟成させて、酸味・旨みにまるみがでてバランスの取れた味わいとなる9月9日(重陽の節句)以降にお届けしてまいります。
 


五人娘純米香取80・90などを搾るのは
  ヤブタ式油圧圧搾機。
  大吟醸酒は昔ながらの槽(ふね)で
もろみを酒袋に入れ搾ります。
(写真は槽に酒袋を並べたところ)



搾りたてのお酒が滴り落ちてきました。
コハク色のお酒は原酒なのに
とてもやわらかい口当たりです 。



   

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